2.18
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【レポート】草津の教育について考える会

【レポート】草津の教育について考える会

2026年2月18日、コーワキングにて草津の教育について考える会を実施しました。

この町には小・中学校が1校ずつ、高校は山を降りて別の市町村まで行かなければならないという、
地理的な教育の課題があります。

また、観光業が町の主要な仕事であり夜遅くまで働く親御さんが多い中で、子どもたちの預かり制度が充実していないこと、
進学塾がなく、受験対策をどうしたらいいのかわからないという声など、これまでさまざまな困りごとを耳にしてきました。

今回、町の皆さんが抱える「教育」についての悩みをみなで共有し、理想の教育について考えることで、
顕在化していなかったさまざまな課題を洗い出し、
次につながるアイデアの発見・コワーキングが課題解決に寄与できる方法を模索したいと考えました。

当日集まってくださった7名の参加者、
また事前アンケートにて思いを送ってくださったたくさんの町民の方々とともに、
草津の未来について考えた様子をお届けします。

草津で教育をする”意義”とはなんだろうか

会のスタート時に集まったメンバーは進行役のスタッフ含めて5名

実際に町で子育てをしている3児のお母さん、オープンスクール創立に尽力されている方、
町の火山研究所にお勤めの大学の先生、小中学生向けのオンライン習い事教室を営む方、

実に多様な立場からそれぞれ教育に携わっている面々が揃いました。

まずは、この町で子育て・教育をすることのメリットや意義について意見を交わします。
みなで事前アンケートの回答を読み、共感したり補足したりしながら、それぞれの考えや思いを共有しました。

意見をまとめると、大きく3つのメリットに分けられました。
「大自然と温泉の恵みがある」「観光業が主の町で、働く大人の姿が間近でみられる」「密な人間関係がある」

火山研究所の先生が、町の小学生や外から来た高校生たちに行ったという地学の授業は、
活発な火山があり、またそれが噴火せずにエネルギーを温泉という形で昇華しているという
まさに奇跡のバランスで成り立っている草津だからこそできるフィールドワーク。

子どもに限らず、大人でもぜひ受けたい!と、その場にいた一同の熱がわっと高まりました。

また、観光客が多い町には外国籍の方もたくさんおり、さまざまな言語や文化背景を持つ人と関わる機会があるという事実にも、多くの人が首肯しました。

さらに、田舎的な密なつながりによって、地域全体で子どもたちを見守る土壌があり、どこどこの誰々さん、というのをいうのをみなが知っているというのが、子育てする上で安心できる一面だという意見も多く上がりました。
ただこれは同時に、やや息苦しくもあったり、もっと大きなコミュニティに移った際に適応が難しくなったりするというネガティブな要素も持ち合わせているという意見も出ました。



(事前に集まった町民の皆さんからの回答の一部。画像は「草津で教育するメリットについて」)

子育てに携わる方の切実な悩み

仕事終わりに合流してくれた3名を迎えて、会の中盤では町の教育課題についてそれぞれの経験を共有しました。

今まさに子育て中という方々からは、子どもの進学に係る課題や、仕事と子育ての両立の難しさについて、
現実的で切実な悩みが吐露されました。

・早朝のバスがないため、朝5時半に子どもを山の下の駅まで送っていかなければいけない
・進学塾が町にないため、高校受験対策をどこでやったらいいかわからない
・放課後に子どもを預かってくれる場所はあるが、早めに閉まってしまうため仕事を抜けて迎えに行かないといけない
・保護者の送り迎えが前提の学校行事が多く、仕事のスケジュールが立てられない
・子どもが子どもだけで安心して遊べる場所がない
・町外の高校に通う子たち用の下宿が閉業してしまう

課題は尽きず、そしてどれも重要で無視できないものばかり。
そんなことになっていたなんて、、と驚き、困惑する場面も多々ありました。

草津で教育をするメリットとして上がったものは魅力的でしたが、まずは課題を解決しないと、という焦燥感に駆られました。

誰かがその経験を話すとき、ある人はじっと話し手に耳を傾け、ある人は腕を組んで自分の考えを整理し、
またある人はわからない点を質問し、話し手が自然と入れ替わりながら、止まることなく会話が続いていきます。

立場が違うと見えている世界が違う。

教育に関心があり、まさに携わっている方々が集まった会でしたが、
自分以外から出てくる経験は、知らないことで溢れていました。

共通していたのは、「草津での教育環境を良くしたい、できるはずだ」という町が持つ可能性への希望ただ一つ。

草津の未来を考える

会の後半では、今までに挙がった話をまとめながら、意見を整理するワークを行いました。

・理想の草津っ子とはどんな子だろうか
・そんな子が育つために必要な教育機関やサービスはどのようなものだろうか
・理想実現のために今課題となっていることはなんだろうか

思いついたことをどんどん付箋に書き出していきます。
考えながら、整理しながら、話をしながら、参加者の手が止まることはありません。

落ち着いた人から順に、付箋に書き出した教育アイデアや意見を壁に貼り出しました。
似たような意見を近くに、ゆるくグルーピングしながら付箋の塊は大きくなっていきます。

たくさん貼り出した後、全員でその全貌を眺めました。

・ホスピタリティーあふれる子どもになってほしい
・どんな価値観の人も受け入れられるオープンマインドな心を
・好奇心旺盛に
・町を防災トップシティに
・トリリンガル教育、子どもたちの進学先は海外!
・ファミリーサポートの充実を
・行けば誰かいる場所、誰かの居場所になるように
・温泉や自然に詳しく、町で育ったことを誇りに思えるように


書き出されたのは、町のポテンシャルを最大限に活用した、まさに理想の草津町像でした。

すべて実現して課題を解決しないといけない、
すべて実現したら課題解決どころかこれ以上ない町になる、

実現させたい、実現させよう!

そんな機運がじわじわと高まっていくのを感じました。

町民の町民による町民のための改革

町の「教育」について、という大きなテーマを、
町民自身で考え、意見を交わし、アイデアや課題解決策を挙げるに至った今回のイベント。

子育てや教育に携わっている本人たちだからこそわかること、感じていることがあり、
この町で暮らしていくという覚悟を持っているからこそ厳しい視点で現実的に考え、
課題とともに希望を抱いているからこそ、高揚感や緊張感がただよう

そんなあっという間の3時間でした。

自分たちの町のことは自分たちで考える。
当事者意識を持った町民の皆さんと一緒に考える会ができて、運営側もたくさん学ばせていただきました。

今回のイベントで出てきた意見をじっくり考察し、コワーキングが携われる方法で
町の教育について今後も考え行動していきたいと思います。

絡み合うさまざまな課題を、まずは「教育」という観点から見定め、解いていけるように。

教育に魅力がある町になれば、おのずと人が集まり、移住者も増えてより町が活性化するはず

その起点にコワーキングがなれたら、こんなに嬉しいことはありません。

今回参加いただいた皆さん、並びに事前アンケートにご回答くださったたくさんの皆さん、
本当に貴重な意見がたくさん集まりました。ありがとうございました!

皆さんのご回答、また本イベントの内容は、資料にまとめて後日町長にお届けしました。

町がより良くなる一助になりますように。

今後ともよろしくお願いいたします!